ガス代は弱火で長時間と強火で短時間どっちが安く済む?

生活の知恵

ガスコンロを使ってフライパンやヤカン中にあるものを温めるとき、「ガス代って弱火で長時間と強火で短時間どっちが安く済むんだろう?」と考えたことはありませんか?仮に、弱火で長時間温める方がガス代を安く抑えられるなら弱火で温めたいし、強火で短時間温める方がガス代を安く抑えられるなら強火で温めたいですよね。

そこで今回は、そんな疑問についてなるべく詳しく調理好きな僕が解説していきたいと思います。といっても、そこまで伝えられることはないので簡単な解説になります。この記事が、もし「火の強さどうしよう…」だったり「弱火の方がガス代かからなさそうだけど..分からないな…」と悩んでいる方の参考になれれば幸いです。

『結論』弱火と強火どっちが安いのかはフライパンやヤカンなどの底の大きさによる

例えば、ガスコンロを使ってヤカンで水を温めるときには、ガスコンロの上にヤカンを乗せて火をつけ水を温めます。仮にこの時、ヤカンの底の全体ではなく一部分にしか火が当たっていない「弱火」の方と、ヤカンの底一部分でなく全体に火が当たっている「中火」の方、またヤカンの底全体をはみ出して火が当たっていない部分がある「強火」のヤカン3つを比較のためガスコンロの上に用意したとします。(水の量は均等にしています)

そして、そのままずっと火を当て続けてすべてのヤカンに入っている水が沸騰する順番を計測したとき、実は最初に全体をはみ出している「強火」と全体にぴったり火が当たっている「中火」は同時に沸騰をし始めます。そして、ヤカンの一部分にしか火が当たっていない「弱火」が一番最後に沸騰を始めます。弱火は、火力が弱いので直観的に一番最後に沸騰することがわかりましたが、強火と中火が同時に沸騰を始めるのは少しだけ不思議です。

というのも、少しだけといったのは、単純に火が当たっている面積なので、吸収している熱量が同じというだけの理由です。さて、なぜ「ガス代は弱火で長時間と強火で短時間どっちが安く済む」という記事でヤカンの水が火加減で沸騰する速度を解説したのかというと、火加減によるガス代の安さと沸騰の速度は関係しているからです。

強火より中火の方がガス代が安い

先ほど説明した、強火と中火が同時に沸騰を始める現象では、吸収している熱量は同じと解説しました。ということは、「強火」で熱した全体からはみ出している火のエネルギーは、ヤカンに吸収されておらずその分ガス代の無駄ということになります。なので、この実験では「強火」より「中火」の方がエネルギー効率が良くガス代を安く抑えられることがわかりますね。

では、「弱火」と「中火」ではどうでしょうか?弱火と中火の共通点は、ヤカンの底に当たっているガスコンロの火から、熱エネルギーをすべて吸収できているという点です。この共通点だけを見ると、この条件での中火と弱火では水が沸騰するまでにかかるガス代は、変わらないのではないかと思えますね。

そこで、温められているヤカンの方の観点から考えてみます。ヤカンは、底に当たっている火から高い熱エネルギーを得ていて、ヤカン内部に入っている水の温度もヤカンを伝わり熱を吸収しています。しかし、ヤカンの外側にはヤカンの温度よりも中の水よりも温度の低い空気が漂っています。水がヤカンから熱を吸収したように、回りの空気も熱がヤカンより下回る間は際限なく熱を吸収し続けます。実は、この熱が温度の低いほうに伝導することを、物理学では「熱伝導」といいます。

弱火より中火の方がガス代が安い

要するに、なにが言いたいのかというと、弱火は中火より空気にさらされている時間が長くなるので、沸騰するまでに多くの熱伝導をし中火よりも熱効率が悪くなるということです。つまり、この実験では弱火よりも中火のほうがガス代を安く抑えられるということがわかります。

つまり、火が当たっている面積でガス代は決まる

最後に補足をしておくと今回ご紹介したことは、「弱火、中火、強火のどれが一番ガス代が安いのか」ということではなく、「火の当たっている面積によってガス代が安くなりますよ」ということです。

なので、ガス代を安くするには、「温める容器の底ぎりぎりにガスコンロの火を当てる」ことが最も良い方法となります!以上がガス代は弱火で長時間と強火で短時間どっちが安く済む?の解説です。最後までご覧いただきありがとうございました!

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