助詞とは サムネ

助詞(じょし)とは?&問題を出題【日本語】

ここでは、日本語の品詞の1類「助詞(じょし)」とはなにかを詳しく解説していきます。また、助詞の練習問題も出題していきます。「日本語を成分レベルで学習しなおしたい方」や「学校や資格で知識が必要な方」などの参考になれれば幸いです。

助詞とは?

助詞とは、広義には、名詞、接続詞、助動詞、動詞などと並ぶ、日本の品詞の一類のことです。付属語(辞)(単独で使用されない語のこと)。活用しない。膠着語(こうちゃくご)。後置詞を含む。

また、助動詞・活用語尾・接尾語などと共に、古来「てにをは」と呼ばれているものに当たります。

なお、大和言葉では、「あとことば」とかつて呼ばれていました。以下では、その働き、分類、発話、由来などについて説明していきます。

助詞の働き

助詞は、語と語、文と文との関係を示したり、文節や言語主体(人間ら)に対してある意味を添える働きをします。

ある意味については、限定・範囲・修飾などの意味を添える副詞のような働きを持っている語から、感動詞的な働きを添える語などがあります。

しかし、学説によって分類基準が異なり、また名称が同じでも所属語に異同がある。

接続箇所

助詞は、自立語とその語に付属語が付いた語に接続し、常に他の語の後に用い、文節の頭に用いることはしない。

例えば?

例えば、助詞のある「時間をかけて積んだ積み木がすべて崩れてしまった。だけど、今回は、すぐに積み直すことができた。」という文では、「時間かけ積んだ積み木すべ崩れしまった。だけど、今回、すぐ積み直すことできた。」と、太字で強調されている部分が助詞となります。

助詞の機能的な分類

助詞の機能的な分類は、一般的に、以下の8種類に分けられています。

  1. 格助詞
  2. 並立助詞
  3. 副助詞
  4. 係助詞
  5. 接続助詞
  6. 終助詞
  7. 間投助詞
  8. 準体助詞

しかし、助詞の分類は、学問的に、それぞれの文法によって助詞の分類が変わっています。以下では、4つの文法による助詞の分類をそれぞれご紹介していきます。

学校文法

学校文法においては、助詞の分類は、以下の4つに大別される。

  1. 格助詞
  2. 副助詞(係助詞と副助詞をあわせる)
  3. 接続助詞
  4. 感動助詞(終助詞と間投助詞をあわせる)

山田文法

山田文法とは、言語学者の山田孝雄(やまだよしお)により考えられた日本の文法です。また、四大文法を構成する1つ。山田文法においては、助詞は、句のなかで果す機能を中心に、以下の6つに大別されます。

  1. 格助詞
  2. 副助詞
  3. 係助詞
  4. 終助詞
  5. 間投助詞
  6. 接続助詞

橋本文法

橋本文法とは、日本の言語学者の橋本進吉(はしもとしんきち)により考えられた日本の文法です。また、四大文法を構成する1つ。橋本文法においては、助詞は、切れ続きや接続関係などをもとに、以下の10種類に大別されます。

  1. 副助詞
  2. 準体助詞
  3. 接続助詞
  4. 並立助詞
  5. 準副体助詞
  6. 格助詞
  7. 準副助詞
  8. 係助詞
  9. 終助詞
  10. 間投助詞
副助詞

副助詞は、用言の意義に関係をもつ語に付いて、後にある用言の意義を修飾する。「ばかり/まで/など/やら/…等」。

準体助詞

準体助詞は、付く語に体言の資格を与える。「の/ぞ/から/ほど/…等」。

接続助詞

接続助詞は、述格の語に付いてこれを次の句と接続させる。「ば/し/と/が/…等」。

並立助詞

並立助詞は種々の語に付き、対等の関係で下の語に続く。「と/や/やら/に/…等」。

準副体助詞

準体助詞(別称:連体助詞)は、付く語に副体詞の資格を与える。「の/…等」。

格助詞

格助詞は、体言または副詞に付いて、それらが句の構成要素としてどんな資格にたつかを示す。「が/の/を/に/へ…等」。

準副助詞

準体助詞は、付く語に副詞の資格を与える。「と/ながら/まま/きり/…等」。

係助詞

係助詞は、陳述をなす用言に関係をもつ語に付いて、その陳述に勢力を及ぼす。「は/も/こそ/さえ/…等」。

終助詞

終助詞は、述語に関するもので、つねに文の終止にだけ用いられる。「か/え/な/よ/…等」。

間投助詞

間投助詞は、語勢を添えたり、感動を高めたりするのに用いられ、他の助詞に比してその位置が自由。「よ/や/ぞ/ね/…等」。

時枝文法

時枝文法とは、日本の国語学者の時枝誠記(ときえだもとき)により考えられた日本の文法です。また、四大文法を構成する1つ。時枝文法においては、助詞は、話し手の表現の立場を重視し、以下の4種類に大別されます。

  1. 格を表す助詞
  2. 限定を表す助詞
  3. 接続を表す助詞
  4. 感動を表す助詞

種類の詳細については、種類と合わせて働きの説明もしている「助詞一覧表」をご覧ください。

発話について

助詞は、基本的にその前の単語に続けて発話されるため、それ単独で発話されることは、ほとんどありません。

助詞を相互に入れ替えると?

また、助詞は、文の中でランダムに入れ替えると、「時間かけ積んだ積み木すべ崩れしまった。だけど、今回、すぐ積み直すことできた。」と、意味が不明な日本語になり、おかしな文章になっていることがわかりますね。

なので、助詞を使う文章・話をするときは、その助詞(が、は、…など)の持っている言葉の意味をしっかり勉強してから使うようにすると、魅力的な文章・話を書ける・話すことができるようになると思います。

由来

助詞は、8世紀の奈良時代の頃からその類に対する認識がされていました。しかし、助詞の名称が定着するのは、19世紀から20世紀の間でした。

助詞の練習問題

問題1:①、②、③の問題文に含まれる、助詞の数をそれぞれ解答せよ。

①.喧嘩をしてしばらく口を聞いていなかった友達が、電車に向かって手を振りながら泣いていた。

②.始業式には出てこなかったが、あいつは絶対に来る。

③.貰ったお小遣いをどこかへ落としてしまったみたいだ。

解答

①.喧嘩しばらく口聞いいなかった友達、電車向かっ振りながら泣いいた。

②.始業式に はこなかった、あいつ絶対来る。

③.貰ったお小遣いどこか へ落とししまったみたいだ。

①. 10つ ②.6つ ③.4つ

問題2:①、②、③の問題文の(  )内に、それぞれ前後の文の関係性を示す適切な助詞を、(  )内に用意されている「1」と「2」の語から選び解答せよ。

①.僕が行った場所(1. 2.)後で心霊スポットだと気付いた時はゾッとした。

②.少ないお年玉で買ったゲーム機がすぐ(1. 2.ある)壊れてしまった。

③.私が動く(1. 2.きれい)合わせて動いてくる男がいる。

解答

①.僕が行った場所(1.)後で心霊スポットだと気付いた時はゾッとした。

②.少ないお年玉で買ったゲーム機がすぐ(1.)壊れてしまった。

③.私が動く(1.)合わせて動いてくる男がいる。

以上、助詞とはなにかの解説でした。助詞は、文と文や語と語などの関係性を示したり、限定や形容など意味を付与する働きをします。

使い方をしっかり学習すれば、文章や話をわかりやすく簡潔にでき、魅力的な文章や話を表現することができるようになれると思います。この他にも「品詞一覧表」にて品詞について情報をまとめていますのでよろしければご覧ください。最後までご覧いただきありがとうございました!