自動車用エンジンの構造と仕組み【わかりやすい!】

     こんにちは、Awaisoraの管理人です。

     自動車は、動力源の「エンジン」と、その動力をタイヤまで伝える「動力伝達装置」、車体を支える「アクスル」、それに乗っかる「サスペンション」と「タイヤ」、そして、進行方向を任意に変える「ステアリング装置(ハンドルの部分)」、自動車を減速、停止させる「ブレーキ装置」などの主要な部分と、人や荷物を乗せる「フレーム」および「ボディ」、その他、夜に道を照らしたり信号でコミュニケーションをとる「灯火装置」や前方にある障害物との距離を測る「計器類」などで構成されています。

     この記事では、その中でも自動車を稼働させるのに最も重要な、自動車用のエンジンの「エンジン本体」とその「付属装置」の構造と仕組みについて、現在自動車に最も多く使用されている4サイクルエンジンを中心に、解説していきたいと思います。参考になれれば幸いです。

    自動車用エンジンの構造と仕組み

     自動車用エンジンには、 流体を密閉した円筒形の「シリンダ」のなかでピストンが往復運動し、これを回転運動に変換する「クランク機構」によって回転運動に変えて動力を取り出す往復動内燃機関(レシプロケーティングエンジン、一般にレシプロエンジンと呼ばれる)が広く用られています。レシプロエンジンでは、ピストンが往復運動し、最上端にきた位置を「上死点」、最下端にきた位置を「下死点」といい、その位置間の距離を行程「ストローク」といいます。

     ちなみに、物理の問題などで上死点と下死点、ストロークは、よく使われる言葉なのでその分野を勉強している方は、意味を理解しておくと役に立つと思います。そして、このエンジンを作動させるには、ピストンの往復運動に従い、ガソリン(炭化水素)などの燃料と空気(酸素)を合わせた、気体である「混合ガス」を円筒型のシリンダに吸入弁である「インレットバルブ」を開け「吸入」し、シリンダ内部の下にある「クランクシャフト」が回転することにより、この上に繋がっている「コンロッド」が上に押し上げられ、それによってその上にあるピストンがガスを「圧縮」、その力がシリンダ内最上部にあるスパークプラグに点火させ「燃焼」し動力を発生させて、燃焼を終えたガスが排気弁である「エキゾーストバルブ」を開け、外に「排出」するという「吸入一圧縮ー燃焼一排気」の4つの作用が繰り返されます。

     このような循環した4つの作用のことをまとめて「サイクル」といいます。そして、この1回のサイクルを完了する(ピストンが吸入一圧縮ー燃焼一排気の4行想を動く)間に、クランクシャフトが2回転するエンジンを「4ストロークエンジン」、または「4サイクルエンジン」といい、クランクシャフトが1回転する間に1サイクル完了するエンジンを「2ストロークエンジン」、または「2サイクルエンジン」といいます。

    以上で自動車用エンジンの構造と仕組みのザックリとした解説は終了です。

    続いては、この4サイクルエンジンと2サイクルエンジンについてさらに詳しく解説していきます。

    4サイクルエンジンの構造と仕組み

     まずは、4サイクルエンジンについてです。最初に自動車用エンジンには、4サイクルエンジンが一般的に広く用いられていると書きました。なので、4サイクルエンジンについて勉強すれば十分だと思うかたがいるかも知れませんが、実はこの4サイクルエンジンの中にも数多くの種類が存在します。ここでは、その中でも多くの自動車に搭載されている「ガソリンエンジン」を中心に説明していきます。

    吸入行程

     吸入行程では、ピストンが上死点から下死点に移動すると、シリンダの容積は大きくなり、圧力が小さくなるためシリンダ内部に負圧(大気圧より低い圧力)が生じます。このとき、シリンダの先端付近にある「インレットバルブ(吸入弁)」が開くと、空気が気圧の低い場所に流れる性質が働いて、混合ガスが勢いよくシリンダ内部に吸い込まれます。エンジン自動車では、このインレットバルブをどのタイミングで閉じるかが、かなり重要で、速く閉じすぎてしまうと混合ガスがシリンダ内に多く吸入することができないため、エンジン出力が弱くなり自動車は、あまり前に進むことができなくなります。ですので、エンジンの出力を大きくするには、できるだけ多くの混合ガスをシリンダ内に吸入するためにインレットバルブの開閉を計算する必要があります。

     例えば、いまエンジンが6000min-1(1分間にクランクシャフトが6000回転する意)くらいで回転しているとすると、このときに混合ガスの吸い込まれる速度は、秒速にして80m(メートル)前後になります。この速度は、時速にして290km/h(キロメートル毎時)くらいになります。シリンダ内に吸入される混合ガスの速度が、このように速くなると、混合ガスに慣性力が働き(例えば、自動車を運転していてアクセルから足を離しても、慣性力が働いて自動車が道を進み続けるように)、ピストンが下死点に到達しても、混合ガスはさらに吸入運動を続けようとします。このように、ピストンが下死点を過ぎても吸入作用が続くことを、「慣性効果」といいます。次に、ピストンは、下死点を到達して上昇運動を始め、圧縮行程に移っていきますが、理想はピストンの上昇運動によって、吸入ガスの流れにブレーキがかかり、吸入速度がゼロになる瞬間にインレットバルブを閉じることです。

    圧縮行程

     そして、インレットバルブ(吸入弁)が閉じると(もう片方にあるエキゾーストバルブ(排気弁)も閉じている状態)、ピストンの上昇運動によって「圧縮行程」に入ります。圧縮行程では、次の燃焼行程で、いかに燃焼しやすい環境を作ってやるか、そして圧縮力を可能なかぎり強くして、混合ガスの反発力を大きくしてやらなければなりません。燃焼しやすい環境とは、圧縮によってガソリン(炭化水素)と空気中の酸素の分子問距離が縮まり、さらにガスに強い乱れを与えることで、分子間の距離が小さくなり点火(着火)しやすい状態のことです。圧縮行程が終わるころには、ピストンは上死点に達し、クランクシャフトは吸入行程から1回転しています。※メモ:4サイクルエンジンは、吸入行程と圧縮行程が終わるとクランクシャフトが1回転する。

    燃焼行程

     次に圧縮した混合ガスに、シリンダ内先端にある「スパークプラグ」から高電圧の電気火花(スパーク)を飛ばして点火→燃焼させます。そして点火された混合ガスは、スパークプラグ(点火栓)を中心に、波のように燃え広がっていきます。これを「火炎伝播(かえんでんぱ)」といいます。このとき燃焼していく速度(火炎伝播速度)は、およそ20~30m/s(メートル毎秒)で、0.003秒ほどの時間で燃焼したガスは燃えつきてしまいます。仮に、このシリンダを大きくしたとすると、シリンダが大きければ大きいほど、燃焼時間(距離)が長くなって効率が良さげですが、その分だけクランクシャフトが高速回転できなくなるばかりか、ノッキングなどの異常燃焼の原因にもなってしまいます。

     そして燃焼に伴い、シリンダ内の温度は2000℃前後に上昇し、急激な熱膨張が行われ、シリンダ内の圧力は、3.9~5.9MPa(メガパスカル)にも達します。この燃焼圧力は、ピストンの上に約2t(トン)もの荷重がかかったことになり、ピストンを押し下げ、クランクシャフトを回転させ、動力を発生させます。また、燃焼行程で発生したエネルギーは、シリンダ内下部にある「クランクシャフト」の後端部に繋がっている「フライホイール」に回転エネルギーとして蓄えられ、その慣性エネルギーによって、燃焼行程以外の「動力を発生しない行程時(吸入行程など)」の場合も回転を維持して、円滑な回転を確保します。もし、このフライホイールが燃焼行程で働かなければ、自動車の走行は、動力が平均的に伝わらずガタガタとしたものになってしまいます。

    排気行程

     そして燃焼によって、ピストンは押し下げられて下死点に向かいますが、高温高圧の燃焼ガスも、ピストンストローク(上死点と下死点の間)の中間あたりを過ぎると、圧力は980kPa(キロパスカル)以下となります。燃焼行程では、3.9~5.9MPaでピストン上に約2t(トン)もの荷重がかかっていましたが、この時点で約1kg(キログラム)ほどまで圧力が小さくなり、エンジンにとって有効な仕事になりえません。そこで、次のサイクルの混合ガスをいち早く吸入するため、まだ多少の圧力が残っているうちに、ピストンの下死点前にシリンダ内の「エキゾーストバルブ」を開き、ガスの自己圧力でシリンダの外へ燃焼ガスを排出します。

     ピストンが下死点に達するころには、大半の燃焼ガスは外に排気され、シリンダ内に残ったガスは、すでに圧力が低下しているので、ピストンの上昇運動の力を借りて排出されます。エキゾーストバルブを通過して排出される排気ガスの速度は、吸気速度の数倍にもなり、そこには慣性力が生じます。このことによって、ピストンが上死点に達しても、排気ガスの流れは止まらず、燃焼室(ピストンが上死点になったときのシリンダ上部の空間)に残された燃焼ガスも引っ張り出すことになります。このとき、燃焼室内はマイナスの圧力(負圧)となり、エキゾーストバルブを閉じるタイミングになります。

     もし、閉じるのが早すぎると燃焼ガスの一部が燃焼室に残ってしまい(このことを「残留ガス」といいます)、次のサイクルの吸入行程で、その分吸入ガスが減ってしまいます。また、エキゾーストバルブを閉じるのが遅すぎると、燃焼室で発生した負圧によって、排気されたガスが逆吸入して、やはり吸入ガスが減ってしまいます。前の吸入行程では、インレットバルブの開き始めについて説明しませんでした。インレットバルブの開き始めでは、排気行程の終わる少し手前(上死点前)の、燃焼室内が負圧になり始めたときにインレットバルブを開くと、ピストンの動きに関係なく、自然に新しい混合ガス(「新気」という)が、燃焼室内に吸入されてきます。そして、この燃焼行程と排出行程が終わるとクランクシャフトが一回転します。なので、4サイクルエンジンの1サイクルでは、クランクシャフトが「吸入と圧縮で1回、燃焼と排出で1回」、合計で2回転します。

    2サイクルエンジンの構造と仕組み

     自動車の分野では、構造の簡単さから、オートバイなどに2サイクルエンジンがおもに使用されています。2サイクルエンジンは、ピストンの上昇行程で「吸入」と「圧縮」を、また下降行程で「燃焼」と「排気」を「クランクシャフト1回転」で完了します。このエンジンは、バルブをもたず、シリンダ壁に混合ガスの吸入用のポート(孔)をもち、ピストンの上下運動によって、各ポートを開閉してガス交換を行います。

    上昇行程

     ピストンが上昇して、ピストンヘッド(ピストンの頭の部分)が掃気(そうき)と排気ポートを順に閉じ、シリンダは圧縮行程になります。同時に、ピストンの下側のクランクケース内では、ピストンの上昇によって、容積が大きくなって、負圧になります。この負圧によって、混合ガスがクランクケース下部の「吸気ポート」から「リードバルブ(逆止弁)」を押しのけてクランクケース内に流入(吸入)します。

    下降行程

     ピストンが上死点付近まで達すると、圧縮された混合ガスはスパークプラグによって点火され、その燃焼圧力で、ピストンは下降します。この行程は、4サイクルエンジンととても似ています。そして、ピストンヘッドが排気ポートの上端より下がると、排気ポートが開き、燃焼ガスは自らの圧力で、シリンダの外へ流出します。さらに、ピストンが下降すると、掃気(そうき)ポートが開かれます。同時に、クランクケース内では、先の上昇行程で吸入されたガスは、ピストンの下降運動で圧縮されて、掃気ポートからシリンダ内に送られます。このとき、リードバルブは、プラスの圧力(正圧)のため、閉じて混合ガスの逆流を防ぎます。シリンダ内に圧送された混合ガスは、前の燃焼による残留ガスを排気ポートからシリンダの外に押し出します。このように、新気ガスによって残留ガスを押し出すことを「掃気(スカベンジング)」といいます。以上のように、2サイクルエンジンは、ピストンの上昇・下降の2行程(クランクシャフトは1回転)で、1サイクル(圧縮ー燃焼ー排気ー掃気)が完了します。

     以上、自動車用エンジンの構造と仕組みでした。初見だと用語が多く難しく感じるかも知れませんが、何度も読んでいる内に用語の理解も進み簡単になっていくのではないかと思います。最後までご覧頂きありがとうございました!

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